ƒ
FC2ブログ

みかんの箱(天使の羽根)

花より団子の二時小説と時々オリジナル小説(BLなど)を時々更新中♩
MENU
スポンサー広告

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

お金で買えない女(完結)

お金で買えない女 75話

75話

「_美作さん、、本当にありがとうございました。」
つくしはメープルのエントランスで地面に頭がつきそうなほど深くお辞儀をする。
「_気にすんなよ。_てゆうか、そうゆう大事なことは早く言えよな?」
「_ははっ、本当にごめんなさい//でも・・ありがとうございますっ」
あきらが呆れたような口調で言うと、つくしはくしゃっと顔をしかめ、恥ずかしそうに笑いながら頭を掻く。
「全く_お前さ、、なんでも一人で抱えてないで俺らを頼れよ。高校時代だって誰かに相談してたら引っ越しするようなことにならなかったんだぞ。」
あきらはさっきまでのふざけたような態度から一転して、真面目な表情でつくしに言い聞かせるように諭す。
「_うん・・ホントだね。」
_ほんとだよね・・なんでも自分一人でやろうとしても最後は迷惑かけて・・ホントダメだなあたし・・。
つくしにも、自分なりの理由や葛藤もあったけど、、、結局勝手な行動をとって返って迷惑をかけてしまったり、心配させてしまった事を反省していたので素直に頷く。
「_ま、分かってくれればいいんだけどな・・。」
あきらはそう言うと、つくしの髪をくしゃっと撫でながら優しく微笑んだ。
***
「_おつかれさま!_ちょっと遅くなっちゃってごめんね~!」
「_つ、つくし先生・・?大丈夫ですか?」
つくしがあきらと別れてご機嫌な様子で店に戻ると、受付のカウンターにいた綾子が心配そうな表情で伺うように聞いてきた言葉につくしは首をかしげる。
「_えっ?何が?」
「_な、何がって・・お出かけになる前に、物凄い真っ青な顔色で出て行ったからものすごく心配したんですよぉ?」
「_へっ?そ、そうだっけ?」
_正直、あの電話を受けてから美作さんに会うまでの記憶はほとんどないんだよね・・///
とういうか、事故とか合わなくてよかった。。
つくしは気が抜けて、憑き物が落ちたようにヘラヘラ笑いながら答えると、綾子は綺麗な猫目をキッと釣り上げて剣の篭った言い方をする。
「_つくし先生!・・話しかけてもお返事もしないし、、ものすごく心配したんですよ!」
アシスタントがオーナーであるつくしに向かってやる態度じゃないが、余程心配していたのだろう。。言われたつくしの胸にジンと優しい気持ちが伝わってきて全く怒る気にならない。
「_ははは、そうだよね?綾子には心配かけちゃってごめんね?」
つくしが顔の前で手を合わせてワザとらしく殊勝に謝罪すると、綾子はお怒り顔を和らげて仕方がないなっというような風情で微笑む。
「_別に、、先生に謝っていただくようなことなんてありませんけど・・とても心配していたので少し安心しました。」
そう言うと、綾子は気恥ずかしそうに斜め下を見るように目を逸らす。
「_ん・・そうだよね。綾子には・・というか、スタッフ全員にずっと心配かけてたんだよね?」
「_そ、それは・・はい。。。」
今まで、従業員がつくしの様子と店の今後を心配しているのはつくしにだってよくわかっていたが・・正直、、いろいろなことがありすぎて従業員の気持ちにまで気が回らなかった。
(_こんな頼りないオーナーでごめん・・)
綾子が気まずそうに口ごもるのを無視して、つくしはさらに言葉を重ねる。
「_まだね、、絶対大丈夫!っとまでは、太鼓判推せるほどじゃないけどね・・美作さんのお仕事のおかげでなんとかなりそうだよ__。」
「_ほ、本当ですか!?」
「_うん!本当だよ。」
「_やった~~!!よかった~本当嬉しいです~///」
つくしの言葉に綾子は大喜びで子供のようにはしゃぎだした。つくしはその姿を見て思わず、ホッと小さくため息をつきながらなんとなくポケットを探る。
_あ、そういえば全然携帯見てなかったな・・。
つくしがスマートフォンを取り出して画面を見ると、花沢類からメールが1通届いていた。

『今夜は早くいけそう。飯は食ってから行くから、あんたも適当に済ませてからおいで。』


↓ranking登録してます。ポチっとお願いします♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


スポンサーサイト
ライナスの毛布(完結)

ライナスの毛布 66話

66話

パタン

つくしはお弁当を食べ終え蓋を閉じる。

道明寺が出て行った後、怖くてその場を移動したかったが、花沢類が来ると思っていたから、待っていた。

つ「・・類、来なかったな。」

思わず溢れた独り言が、吐き出す白い息と共に冷たい空気に溶けて消える。

ポツン

フッと見上げるとあの日と同じ分厚い雲に覆われた灰色の空から、チラチラと粉雪が舞い落ちる。

ああ・・雪か。

どうりで寒いと思った。

つくしは冬も終わりに差し掛かり、めっきり春めいてきたなと感じ始めた矢先の、珍しいなごり雪に心を奪われる。

透き通る青空を分厚い雲で覆った、灰色に濁った空が泣いているようだった。

寂しい・・

いつも、傍にいる温もりを感じないから?


つくしは非常階段の扉を開けて教室に戻った。

**

あ「牧野!終わったか?」
つ「あ・・美作さん?どうしたの?」
あ「ああ、なんかよ、類の奴から、急用ができたとかなんとか言ってお前の迎え頼まれたんだわ。」
つ「・・そうなんだ。」

授業が終わると、普段だったら類が迎えに来てくれるんだけど、今日は珍しく美作さんが迎えに来てくれた。

非常階段でも会えなかったし、昨日から少し様子がおかしかったから、一目でいいから会いたかったのに・・。

それに、道明寺に会ったことも話したかった・・。

つくしが明らかに、シュンとしてがっかりした様子を見て、あきらは思わず苦笑いがこみ上げる。

あ「おい。そんなにあからさまにがっかりするなよな?俺じゃ不服か?」
つ「あっ///そ、そんなんじゃないよ?ごめんなさい・・」

慌てて否定する様子もワザとらしくて、あきらは心配そうな顔で見返すと、つくしは困ったように微笑んだ。

あきらはつくしの明らかに不審な様子に眉をひそめる。

あ「お前・・なんかあったのか?」
つ「・・・えっとぉ。」

あきらは、気まずそうに目を逸らしたつくしの腕を取り歩き出す。

あ「とりあえず行こうぜ?話は車の中でゆっくりと聞かせてもらうからな?」
つ「・・うん。」


↓ranking登録してます。ポチっとお願いします♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


ライナスの毛布(完結)

ライナスの毛布 65話

65話

類は司に背を向けると、まっすぐにあきら達にいるラウンジに向かった。
類がラウンジのソファーに腰を掛けると、あきらと総二郎が驚いた表情で顔を見合わせる。

総「類、珍しいじゃねえか。どうしたんだ?」
あ「おい、牧野はいいのか?」

二人が一斉に話しかけてくる言葉を無視して、類は唐突に口を開いた。

類「司が、牧野を諦めてくれって言いに来た・・。」

そう言うと、類はハァっと大きくため息を吐いて両手で顔を覆って俯いた。
あきらと総二郎は類の言葉に思わず眉をひそめながら、慰めるように言葉をかける。

総「おい類、お前それで簡単に司に譲るつもりなんじゃねーだろうな?」
類「・・・」

総二郎の今にも食ってかかりそうな剣の篭った言い方に、あきらは、よせよっと、咎めるような視線を総二郎に送り、類に対して気遣うような口調で声をかける。

あ「類・・どうした?お前らしくないじゃないか。ちゃんと、自分の気持ちを司に話したのか?」」

あきらの言葉に、類が一瞬視線をあげると、ぼそりと呟く。

類「・・譲らないって言った。」

あきらは、類のその言葉に、ほっと小さく吐息をつくと、類の隣に座り肩を軽く抱きながら話し出す。

あ「だったら、いいじゃねえか。今はお前が、牧野の彼氏なんだから堂々としていろよ。な?」

あきらの励ますような言葉に、総二郎が横槍を入れる。

総「・・お前、自信がないんだろう?」

総二郎の言葉に、類は顔をあげ、苦しそうな表情を一瞬零した。

類「・・自信なんてないよ。司が記憶を取り戻したから、また昔みたいに牧野が司に戻るかもしれないよね?それに、司の家と違ってうちはまだ付き合いだって認めてもらってないし・・。」

総「だったら、お前も親に認めさせればいいじゃねぇか。難しく考えるなよ。司にできてお前にできないことなんてあるわけねーだろ?」

総二郎の言葉に、類はハッとしたような表情を見せる。

その表情に力を得た総二郎は畳み掛けるように言葉を重ねる。

総「自信持てよ。牧野はお前がいたから、あそこまで立ち直れたと、俺は思うぜ?」
あ「・・俺も・・そう思うぜ。」

二人の言葉に類は少し考えるようなそぶりを見せた後、しっかりとした意思の篭った眼差しで二人を見据えながら口を開いた。

類「二人共、ありがとう。俺決めたわ・・」

↓ranking登録してます。ポチっとお願いします♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


ライナスの毛布(完結)

ライナスの毛布 64話


64話

類「ハァ・・」

類は、昨日あきら達から聞いた話を牧野にどう告げたらいいか悩んでいた。

普段だったら一秒でも長く牧野と過ごすために、牧野の授業が終わる前には非常階段に行っていたが、今日は気が乗らずうだうだと考え事をしながら、ウロウロと校内を散歩していた。

あんな事があったから、今は牧野は司を怖がっているが、、
司が記憶を取り戻した今・・昔のように・・牧野は司を許して惹かれていくんじゃないだろうか・・。

そう考えると、いつまでも避けられる事じゃないってわかっていても、少しでも自分を見てくれる今を引き延ばしていたい衝動に駆られる。

情けないな・・・牧野の笑顔が見れればいいんじゃなかったのかよ・・。

自嘲とともに吐き出した息は思いの外濃い苦悩を感じさせた。

**

類「お昼休みか・・。」

フッと気がつくと、午前の授業が終わったのか、生徒達がゾロゾロと教室から出てきたので、類は重い腰を上げて非常階段へ向かった。

見上げた先に、見覚えのある特徴的なクルクル頭が見えて、身体に緊張が走るが、司が記憶を取り戻した今、牧野に危険な事をするはずがないと、一瞬で思い直して苦笑いが込み上げてくる。

俺って・・いつもそうだよな。

今だって感情のままに走って司をぶん殴って二度と近づくな!とか、言えちゃえばいいんだろうけど・・妙に冷静に分析してたりする。

今、司は牧野に悪かったとかなんとか謝っててさ・・牧野が許すかどうか別として、司は昔みたいに牧野を追いかけまくるんだろうなっとか、俺にも諦めてくれとかいいにくるのかな?とかさ、、そんな情景が浮かんできて、足が縫い付けられたように前に進まない。

そうこうしてるうちに牧野に追い返された司が項垂れた様子で階段を降りてきて、類の目の前に立つのを感じた。

司「・・類。」
類「・・・」
司「類・・悪りぃ。やっぱり、牧野だけはどうしても譲れねぇんだ・・」
類「譲る・・?」
司「ああ・・だからお前諦めてくんねぇか?」
類「・・・」

類は内心、ああやっぱり・・思った通りだ。そう思うが、言葉に喉に絡んで声が出ない。

類の様子を訝しんだ司が畳み掛けるように言葉を重ねる。

司「牧野を返してくれ・・頼む!」
類「・・いやだ。」
司「・・類!」

類は一言ボソリと呟くと司に背を向けて非常階段を後にした。

後ろで司が何か大声で話してきているが類の耳には何も届かない。

行かなければ・・
ここから離れなければ・・・


↓ranking登録してます。ポチっとお願いします♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


ライナスの毛布(完結)

ライナスの毛布 63話

63話

つ「送ってくれてありがとう」
類「どういたしまして。」
つ「じゃあ、後で非常階段に行くね?」
類「ん・・。」

翌朝いつも通り類は迎えに来てくれて、いつも通り教室まで送ってくれる。
相変わらず口数が少なくて、何考えてるか分からないのはいつものことなんだけど・・。

チラッと見上げた先にある、整った横顔はいつも通り傷一つない。
ただ、、どことなく睡眠が足りてないような、少し疲れたような様子が見て取れた。

どうしたんだろう・・。
どこか上の空で様子がおかしい気がする・・。
何かやっちゃったかな・・?

つくしは考えを巡らせてみるが、思い当たることはない。
いつも、通りだったと思う。

まさか・・?

つくしは浮かんだ考えを振り払うように首を振り、後で直接聞いてみようっと、気持ちを切り替えて授業に向かった。

**

ガチャ

つ「あれ?いない・・」

お昼休みになり、つくしは非常階段に場所に来てみるが、いつもだったら、雨の日以外は大体寝っ転がっている類の姿が見えない。
昨日から少し様子がおかしいと思っていた矢先なので、言いようのない不安がこみ上げてくる。

つ「・・先にお弁当食べてるね。」

つくしは、ポツリと独り言を零すと、二人分用意したカラフルなお弁当を一つ開けて箸をつけようとした時、ガチャっと扉が開く音がして見上げた先に見えた顔に思わず目を見開いた。

司「・・よお。」
つ「・・・道明寺!?」

つくしはあの日の暴挙が一瞬で蘇り震える声で叫ぶように問いただす。

つ「あ、あんた・・こんなとこまで・・何しにきたの!?」

つくしが思わず、身体を強張らせ後ずさりする様子を見て、司は傷ついたような表情を見せる。

司「・・牧野。」

司はそう言うと、そっと腕を伸ばしつくしの頭を撫でようとするが、つくしは力一杯振り払う。

つ「やめて!!触んないで!!」
司「・・違う、勘違いすんなよ・・」
つ「いやだ!いやだ!こっちこないで!!」
司「・・ごめん。」

つくしは追い詰められた小動物の様に、全身の毛を逆なでて、大きな瞳にいっぱいの涙をためて叫ぶ。
その様子を見た司は、1歩後ずさりし、伸ばした腕を引き戻し、かすれる声で一言謝ると、顔を伏せて苦しそうに言葉を紡ぐ。

司「・・こないだは、悪かったな。全部思い出したから・・謝りてぇと思ったんだけど・・」
つ「・・えっ?」

つくしは司の意外な言葉に思わず顔を見上げると、目の前で、道明寺が苦しそうな表情で項垂れていた。

つ「・・思い出したの?」
司「ああ・・。すまなかった。今までのこと全部。」
つ「・・・」
司「謝って許されることじゃねぇってわかってるけど・・」

つくしは最後まで司が話しきる前に、被せるように言葉をかける。

つ「・・わかったから、わかったから・・もう行って!」
司「すまなかった・・」

司は取りつく島のないつくしの様子に、司はこれ以上言葉をかける事を諦めて、一言呟いて非常階段を後にした。

その背中を見送りながら、つくしは思わず独り言ちる。

つ「どうしよう・・・。」

↓ranking登録してます。ポチっとお願いします♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


ライナスの毛布(完結)

ライナスの毛布 61話

61話

ピローン

『着いたよ』

類からメールが入ったので、つくしはいそいそと帰り支度をすませ、優紀に声をかける。

つ「優紀・・今日はありがとう。それにごめんね?」
優「つくし・・ちゃんと花沢さんに聞いてみた方がいいと思うよ?」
つ「・・うん。機会を見て話してみる。」

つくしの言葉に、優紀は一瞬咎めるような表情を見せるが、はぁっ、、っと、一つため息を零して仕方がないかな?っという風に微笑んだ。
つくしは、ホッとしたように笑うと、類の待つ車にかけて行った。

その後ろ姿を見ながら、優紀は思わず呟く。

優「全く・・・素直になればいいのに・・。」

**

つ「お待たせっ」
類「・・・」

つくしは類に声をかけるが、何か考え事をしてるのか、返事をしない。
つくしは、珍しいなぁ・・と思いながら、大声でもう一度名前を呼んでみる。

つ「類?るーいっ?」
類「・・あ、ごめん。ほら、乗って?」
つ「う、うん。ありがとね?」
類「ん・・」

つくしの声に気がついた類は、何食わぬ顔で車に乗せてくれるが、何処となく様子がおかしい気がする。
つくしは不思議に思って、チラッと横目で観察してみるが、類はいつも通りの飄々とした顔で窓の外を眺めている。

類・・何か考え事してるみたい。なんだろう・・?

つくしの洞察力では類の本心を見抜くのは至難の技だ。
つくしは、さっさと見抜くことを諦めて、直接尋ねてみることにする。

つ「・・類?何かあった?」

つくしの声に振り向いた類は、優しい顔で薄っすらと微笑む。

類「ん?何もないよ?」
つ「そ、そう?なんか、何時もと違う気がして・・」
類「そ?牧野、記憶がないのに俺が何時もと違うのがよくわかるんだね?」
つ「えっ?そ、そうかなぁ・・///だ、だって、毎日会ってるし何時も見てるからわかるよ?」
類「ふーん、いつも見てるんだ。」

つくしは、類の思わぬ返しに、焦って挙動不審な態度を取ってしまう。
類は、してやったりというような表情でニッコリと笑う。

つ「もーーっからかわないでっ///」
類「からかってないよ?牧野はいつも俺のこと見てくれてるんだよね?」
つ「うっ・・もちろんだよ?///」
類「ありがと。」

そう言うと、類は、心底嬉しそうな顔で綺麗に微笑んだ。
その顔を見たつくしは、内心、その顔反則すぎ!っと思い赤面してしまった。

↓ranking登録してます。ポチっとお願いします♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


ライナスの毛布(完結)

ライナスの毛布 62話

62話

類「じゃあ、また明日迎えにくるから・・」
つ「うんっ//いつもありがとうね?」
類「ん・・」
つ「・・?」

類はつくしを美作家のエントランスまで送ると、普段だったら、ほっぺたにキスの一つくらいはするのに、今日は、じゃあねっと、頭をくしゃくしゃにして帰って行った。

つ「キス・・してくれないんだ・・。」

つくしは不思議と寂しいような気がして、思わず、唇に指を当てて小さな声でつぶやいてしまう。

あ「キスして欲しいのか?」
つ「ぎゃっ!!!//」

たまたま帰ってきたあきらが、ニヤニヤ笑いながら声をかけてくると、つくしは驚いて思わず大声で叫ぶ。
あきらは煩そうに、両耳に指を突っ込んで、しかめっ面をする。

あ「うるせーーなぁ。大声出すなよ?」
つ「み、美作さんが変なこと言うから!!それに、盗み聞きするなんてひどい//」
あ「おいおい、人聞きの悪いこと言うなよ?一人で勝手に話してたんだろうが?」
つ「うっ・・・///」

つくしが言葉に詰まると、あきらはニヤニヤと悪い顔で笑いながら、そういえばっと、思い出したようにつくしに向き直る。

あ「お前来週ギブス取れるんだろう?快気祝いやるぞ。」
つ「ええ~いいよ~そんな~悪いし・・」

つくしが申し訳なさそうに、手をブンブン振りながら遠慮すると、あきらは訝しげな表情を見せる。

あ「なんだ・・お前、まだ聞いてねぇの?」
つ「えっ?何を・・?」
あ「・・そうか。なんでもねぇよ。類から直接聞けよ?」
つ「はぁ?うん・・わかった」

不思議そうなつくしの顔を見ながらあきらは考えてしまう。

類のやつ・・やっぱり、会わせたくねーんだな・・。

類の気持ちもあきらには分かるだけに、複雑な気持ちがこみ上げてくる。
でも、総二郎がもう司に声を掛けちまったし、今更取り消しもできねえしなぁ・・。

まあ、類も覚悟を決めて話すしかないよな・・

あきらはそんなことを考えながら、つくしの頭をぽんぽんと撫でると、つくしがいつも通りの叫び声を上げる。

つ「もーーっ 美作さんまで!!髪がくしゃくしゃになるってば~!」


↓ranking登録してます。ポチっとお願いします♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


夜明け前(完結)

夜明け前 143話

143話

「_あんた、腹減ってる?」
「__えっと、、す、少し減ってるかな?」
「_じゃあ、あそこのビュッフェで何か取ろう。」
「_え、ええ//」

二人はまずビュッフェに向かった。

_た、助かった・・!
実際のところ、マリアの報告を聞いていて食事どころじゃなかったつくしは、お昼に小さいサンドイッチを2つ3つ摘んだっきり何も口にしていなかった。

「_飲み物はシャンパンでいいかな?」
「_え?うん、ありがとう//」
「OK・・ちょっと待ってて・・」
「_うん・・」

そんなこと知る由もない花沢類は、つくしに飲み物を取るためにバーカウンターに行った。

_くぅ・・・きゅるるる・・
お腹が背に着きそうなほど空腹というのが正直なところだが、、こんな場でバカバカと食事なんて取れるはずもなく、ミニバンドの奏でる音と喧騒にかき消されて誤魔化せているが、くうくうと煩くなる腹の虫をどうやって黙らせるか思案する__。

_何度もお皿を変えてもらうほど食べることはできない・・と、いうことは、小さくても高カロリーなものを選んで効率よく食べなければ・・・。
先ずはお肉類でしょ・・あとは炭水化物・・キッシュみたいなものがあればベストだわ・・。

そう考え、ささっとビュッフェに視線を這わせる。

ローストビーフは食べたいな。
あとは、、フォアグラもいいわね・・それに・・つくしが目線だけで食べ物を物色していると、ビュッフェテーブルの前で何皿も豪快に平らげていく見覚えのある栗色ショートヘアの後ろすがたに気がついた。

_あれ?
_もしかして・・

「_あ、あの、、もしかして滋さん?」
「_ん?」

つくしが声をかけると、口いっぱいにお肉を頬張った滋が振り返った。

「あっ!」
「や、やっぱり・・滋さんだ。」
「きゃぁ~~~つくしぃ~~!!」

滋さんは手元の皿をしっかりとボーイに預け、ぴょーんっと飛び跳ねてつくしの体に巻き付いた。

「_ぐ、ぐえ・・」
「_つくしぃ~~!こんなとことろで会えると思わなかったよぉ~~!」

つくしは回された腕の間に指を通し、意識を失わないように予防しながら、盛大に抱きついている滋の背中をポンポンと叩いてなんとか滋を引き剥がす。

「_お、お久しぶりです//今日は、、お一人で?」
「んーん。司と婚約解消しちゃったからさぁ~、お見合いを兼ねたパーティー三昧なのよ~。」

滋はあっけらかんとした表情で、遥か向こうで滋を探してキョロキョロとしている、パートナーらしき人を指差して、にししっと子供みたいに笑った。

_なんか、思ったより元気そうでよかった・・
つくしは、内心道明寺と滋のことで少しだけ罪悪感を感じていたのでホッとしてしまう。

「_つくしは一人・・じゃないみたいだね?」

滋が言いかけた時、つくしの前に黄金色の液体がはいったフルートグラスがスッと差し出された。


↓ranking登録してます。ポチっとお願いします♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


お金で買えない女(完結)

お金で買えない女 74話

74話

「_専務?どうされますか?」
無表情であきらの方向を眺めているだけで、うんともすんとも言わなくなった類に、田村が不審そうな表情で声をかける。
「_いや、今日は連れがいるみたいだしやめておこう。これから打ち合わせだし時間もない・・。」
無言で眺めていた類は一瞬だけ表情を強張らせて口を開いたが・・
そういう、自分の声が酷く掠れているような気がして、類はなんとなく一つ咳払いをする。
「_それもそうですね・・、では参りましょう。」
「__ああ。」
_なんで、あきらが牧野と抱き合っているんだ?
あきらが牧野に仕事を振ったって言ってたよな・・それで時たま会っている様な事は聞いていたが・・。
_遠目だったが牧野は泣いている様な雰囲気だった・・。
「・・・」
_さっきまでの楽しい気分が一気に冷え、胸にモヤモヤとした訳のわからない感情がうごめくのを感じる。
「_専務?」
類がさっきまでのご機嫌な空気とは打って変わり、何処となく不機嫌な様子で押し黙っていると、様子を訝しんだ田村がチラチラと類の様子を伺ってくる視線が鬱陶しい。
「_何?」
「_い、いえ、特には・・。」
類が不機嫌さを隠さずに無愛想な返事をすると、田村は戸惑うように言葉を濁した。
(_美作専務と何かあったのでしょうか・・)
そうこうしているうちに登りのエレベーターが降りてきたので類と田村はさっさと乗り込んで扉を閉めた。
***
「_なんか、恥ずかしいところを見せてしまって・・ごめんなさい//」
つくしは、あきらに借りたハンカチで涙を拭い、恥ずかしそうに謝罪すると、あきらはつくしの頭を優しく撫でながら、心配そうな表情で覗き込む。
「_バカ、、いいんだよ。それより、お前なんでそんな大事なこと早く言わねーんだ?」
「_ご、ごめんなさい・・、なんとかなるかなって思ってたから・・」
「_たく、なんとかなるって話じゃないだろう?」
「_う、、そうなんだけど・・」
_そうなんだけど、出来れば何とかしてお店だけは続けたいって思っていたから・・
つくしが再び暗い気持ちになっていると、あきらは咎めるような表情でピンっとおでこを弾く。
「_い、痛っ!」
「_だけど、、じゃないぞ?」
「_は、はあ・・」
あきらのデコピンは思いの外痛く、思わずおでこを抑えながら上目遣いでみ喘げると、難しい顔をしていた美作さんの表情が崩れ、瞳が楽しそうに揺れていた。
「_デポジット入れてやるよ。」
「_え?デ、デポジット?」
つくしが不思議そうな表情で聞き返すと、美作さんは安心させるように力強く頷いた。
「_そ、デポジット。前金ってヤツだな・・。あんまりこうゆう仕事で使うことはないんだが、どうせ将来的に払う金だ・・先に少し払ってやるよ。それで、金返したらいいだろう?」
「_えっ!?で、でも・・迷惑じゃないですか?」
つくしがびっくりして聞き返すと、美作さんは態とらしく軽い調子で言葉を重ねた。
「_馬鹿野郎、途中で投げ出される方がよっぽど迷惑なんだよ!」


↓ranking登録してます。ポチっとお願いします♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村


ライナスの毛布 番外編

MAILER-DAEMON 後編


MAILER-DAEMON 後編


ありがとうございましたぁ~~!

あきらは、行きつけのジュエリーショップから小さな紙袋を下げて出てくると、そのまま、待たせていたリムジンに乗り込み、学校へ向かう。

学校についたあきらは、まっすぐにラウンジに行くと、眠そうな顔の総二郎と出くわした。

あ「ずいぶん眠そうだなぁ・・大丈夫か?」
総「・・ふん、誰のせいだよ?」
あ「俺のせいか?悪かったな。」

総二郎はそう言うと、意味深な笑みを零し、ふわぁぁっと大きな欠伸をひとつする。
あきらは総二郎の言わんとする意味がわかり、全くこいつはしょうがねぇなっと言うように小さく苦笑をひとつこぼした。

総二郎は、向かいに座ったあきらの手元の小さな紙袋に気がついて、ニヤリと笑うと探るように尋ねる。

総「おい、あきらその袋なんだ?」 

さっきまでの眠そうな顔を一瞬にして好奇心で輝かせ、興味津々な様子がおかしい。

あ「なんでもねーよ。」
総「何でもないことないだろう?そこの店の物は本命にしかやってるの見たことないぜ?」
あ「・・っ、まあ、いいじゃねえか」

総二郎の鋭い指摘に、あきらは一瞬言葉を詰まらせるが、さすがプレイボーイで慣らしたポーカーフェイスは健在で、なかなか本心は探らせない。

総二郎の探るような視線を頬に感じながら、あきらはおもむろにスマホを取り出すと、メールを打ち始める。

『学校が終わったらすぐに帰るから、東屋で待っててくれないか?
今日中にどうしても渡したいものがあるんだ。』

送信・・フィン♫

ピローン♫

あきらが送信ボタンを押すと、次の瞬間返事が返ってきて思わず首を捻る。

あ「・・ずいぶん返信、早いな。」

あきらが不思議に思って、受信トレイを開けると、そこには、MAILER-DAEMON の文字。

メッセージを開くと、mailer daemon returned mail の文字とともにさっき自分で書いたメールが戻ってきていた。

あ「・・・ハァ。やっぱり、あいつは浮舟だな。」

あきらの呟きに、総二郎は怪訝な表情で見返してくるのをあきらは無視して、アドレス帳の中から、今夜会えそうなマダムを物色し始めた。



Fin


↓ranking登録してます。ポチっとお願いします♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村



該当の記事は見つかりませんでした。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。