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みかんの箱(天使の羽根)

花より団子の二時小説と時々オリジナル小説(BLなど)を時々更新中♩
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献上作品

スケッチ

やこさんのイラスト帳 管理人やこ様をイメージして書いたお話です。


**


スケッチ

総「…あいつら、ラウンジにもいねーしどこ行ったんだ?」
あ「類なら、非常階段に行けば会えるかも知れねえな。司は知らん。」
総「はぁーっクソ寒みぃのによくあんなところで寝てられるよなぁ…信じらんね〜。」
あ「全くだな…」

総二郎とあきらが、司と類を探して大学の中庭を歩いていると、廊下を隔てた反対側のベンチに牧野が座って、何やら必死に書き物をしているのが見えた。

総「あれ牧野じゃねぇ?」
あ「お、ホントだ…」
総「…あいつ、何やってるんだ?」
あ「…さあな」

総二郎とあきらは顔を見合わせると、ニヤリと悪い顔で目配せし、抜き足差し足で牧野の背後から近づいていく。

牧野の真後ろまで近づいてみるが、よっぽど集中しているのか、気付く気配もない。

総「…」
あ「…」

2人は一瞬目配せし、そーっと背後から除き込むと、気配を感じた牧野が慌てて手帳を閉じた。

つ「ぎゃっ!!!」

つくしは、パッと後ろを振り返ると、美作さんと西門さんがニヤニヤしながら見下ろしていた。

つ「な、何!?盗み目なんて悪趣味じゃない?」

つくしが、ほっぺたを真っ赤にしてキョドキョドと忙しなく目を泳がせるのが、何か隠し事でもしているようで怪しい。
総二郎は片眉をヒョイっと器用に上げると、探るように問いただす。

総「…お前、今、何を隠した?」

つくしが、いよいよ視線を彷徨わせて挙動不審な様子を見せながら、ソッと手帳を背中に回した時、100m位先に司と類が並んで歩いているのに気付いたあきらが口を開いた。

あ「あ! あいつら、あんなところに居たのか…。」
つ「…えっ!?」

つくしが、慌てて振り返えった隙に、総二郎がつくしの背後に隠した手帳を奪いとる。

総「隙あり!!」
つ「ちょっ、ちょっと、返してよ〜!!」

つくしが慌てて取り返そうとするが、身長差20cmは伊達じゃない、手をいっぱいに伸ばしても、ジャンプしても届かない。

あきらはその様子をニヤニヤ笑いながら慰めている。

あ「ははは、諦めろ牧野w」
つ「いやーっ!ダメダメダメ!!!」
総「どれどれ…」

つくしの必死の叫びも空しく、総二郎が楽しそうに奪い取った手帳を開いた瞬間、つくしは真っ赤になって俯いた。

つくしの手帳の中身を見た総二郎は、薄っすらと頬を染めると、口元を手で覆う。

総「…お前、恥ず過ぎ。普通、彼氏の似顔絵とか手描きするか?」
あ「…マジか!?」
つ「うっ///」

あきらはそう言いながら総二郎の手元を除き込むと、手帳に描いた「彼氏」と遠目に見えるあいつを見比べた。

あ「ホントだ、すげぇそっくりw」


~Fin~


あなたの彼氏はどっちかな??






**最後ですが、画像の持ち出しや二次使用、複製など絶対にしないでくださいね。**


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献上作品

青空にココア

上を向いて歩こう 管理人「青空心愛さま」のお誕生日に差し上げたお話。



**



青空にココア


季節は2月…

普段なら、一年で一番寒い時期だが、今年の冬は暖冬らしく、お天気の良い日には暖かい陽射しが既に春の気配を孕んでいる。
そんな日は、学校が終わると決まって、2人で学園の側にある大きな都立公園にやってくる。

「陽射しが気持ちいいね〜っ」
「ん〜そだね。ベンチで一眠りしたいなぁ…」
「じゃあ、自販機で暖かい飲み物買ってくるから、類はベンチで待ってて?」
「俺が行くよ」
「いいよ〜自販機なんて使った事ないでしょう?」
「何かトゲのある言い方だね?」
「うっ///そんなつもりじゃ…」

あたしが慌てて言葉を詰まらせると、類はビー玉みたいな茶色の瞳を緩ませて、クスクスと悪戯っぽく笑う。

「もうっ!!ひ…どい…むがふが…」
「ぷくくっ」

あたしは、揶揄われた事に気がついて、真っ赤になって抗議しようと口を尖らせると、類にすかさず唇を摘まれて言葉がでない。

その姿を見て類が楽しそうに笑うから、あたしはすっかり毒気を抜かれて許してしまう。

彼女は、じゃあ買って来るから待っててーっと言い残して、タタタッと駆け出して行った。

「わざわざ走らなくてもいいのに…せっかちな奴。」

類は後ろ姿を見ながら一言呟くと、よっこらしょっと、らしくもない掛け声を一つかけてベンチにごろんっと寝っ転がる。

見上げると、既に葉っぱの落ちてしまった、裸ん坊の枝の隙間から、冬晴れの透明な青空が広がっている。

真冬の青空は空気が澄んでいて特に綺麗に見えた。

青空が綺麗だな…

そんな事を思っていると、遠目にバタバタと駆け足で彼女が帰ってくるのが見えた。

類は狸寝入りを決め込み、目を閉じて時を待つ。

**

彼女がベンチまで戻って来たのを、薄っすら感じる人の温もりと、カサカサと落ち着きなく鳴る枯葉の音で感じた。

「あれ…?寝ちゃった?」

相変わらずの大きな独り言を呟くと、よいしょっと類の頭の横の腰を掛けた。

今目を開けたら驚くだろうか?

類はソッと目を開けようとした時、唇にふんわりとした感触が落ちてきた。

えっ?今の…

類は驚いて目を開けそうになるのを、なんとか堪えてそのまま寝たふりをする。

いつも、恥ずかしがって自分からキスなんてしてくれない彼女の、まさかのサプライズに思わず頬が緩む。

「冷めちゃうし先に飲んじゃうね〜」

またしても、大きな独り言を呟き、買ってきた物を飲み始めた彼女に、類は思わず笑いが込み上げてきて、肩が震える。

もう寝たふりなんてしてられない。

悪戯心はさっさと捨て、パチりと目を開ける。

「えっ?」

彼女がビックリしたような表情で見下ろしてくるから、俺は彼女の綺麗な黒髪をソッと引き、甘い唇を味わう。。

ちゅっ

ピンク色の唇からは、ほんのりと甘いココアの味がした。

「ごちそうさま…」

そう呟くと、彼女がはち切れんばかりのほっぺたを桜色に染め上げた。

俺はその桜色の頬を見ながら思う。

そうか、もうすぐ春なんだな…。




おしまい


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2016類誕イベント

彼岸の桜「白い果て」

2016BDイベント企画『共通お題』
 
 

” 桜 ”  ” 舞い落ちる ”
 
 

***

 
彼岸の桜「白い果て」
 

 
スーーーっ
 

濡れた頬を柔らかく撫でるそよ風が、優しいあの人の指の温もりを伝える。

 
「__る・・い」
 

あの日、夢中で感じた舌の熱い滑り。


産毛を撫でる息遣いに、胸をときめかせたいくつもの夜。

 
全部覚えている。

 
優しい茶色い瞳が暗やみで濡れて光り、鼓膜を震わせる少しかすれた低い声に心を震わせた忘れられない数々の夜。


私を抱きしめる力強い腕の温もりも全部・・全部・・覚えてる__。
 


  ・・つくし、迎えに来たよ。一緒に行こう。
 


大好きな王子様スマイルで、大きな手を差し伸べてくれる。
 

私、ずっと待ってたんだよ・・
そう?これでも急いで来たんだけどな・・
どうせ、また寝てたんでしょう?
はは・・俺ってそんなイメージ?
そうだよ・・いっつも、ずっと寝てばっかりなんだもん。寂しかったんだよ・・。
そっ?じゃあ、これからは、ずっと一緒に眠ろうね・・
うん・・そうだね。
 

つくしは類の手を取ると、二人微笑み合い、白い光の方へまっすぐと歩いていく。
 

これからは、ずっと一緒に__
 

二人手を取り合って、肩寄せ合いながら歩む道__。
 
 
 
**
 
つくしの皺の寄った渇いた頬に、温い涙が一筋流れ落ちる。
 
硬い皮膚にはその温かな感触はもう届かないかもしれない__。
 
 
「おばあちゃん?おばあちゃん?」

「・・・」
 
「__全く、こんなところで寝るなんておじいちゃんそっくりね。__風邪ひいちゃうよ?」

「___。」
 
 
スルリ
 

痩せた膝に掛かるブランケットが、湿った地面に滑り落ちる__。



ぶわっ・・
 
 

一陣の風に花吹雪がひらひらと舞い落ちた。
 
 
 
Fin
 


****
 

共通お題 桜   舞い落ちる 
 
明日咲く花asuhana様」
 
上を向いて歩こう「青空心愛様」
 
 
やこさんのイラスト帳「やこ様」(イラスト提供)
 
 

2016類誕イベント

桜の季節

2016類BDイベント企画『共通お題』



” 桜 ”  ” 舞い落ちる ”





***



桜の季節



ヒラヒラヒラ…


舞い落ちる花吹雪の中、何処まで続いてるかわからない程長い桜並木を寄り添うように歩く二人。

普段なら4月に入る頃、そろそろチューリップも咲こうという頃に満開になる桜が、暖冬の影響でまだ梅の名残も残る3月の中旬に、暖かい日が何日か続き満開になった。

都内でも有数の桜の名所の公園内は、真昼間から飲めや騒げと、春の訪れを喜ぶ人々でごった返していた。

「凄い人出だね…」

人混みに慣れない類が、顔を顰めながら零した言葉に、隣でキョロキョロと落ち着きなく辺りを見回していたつくしが鼻息を荒くする。

「混んでるって分かってても、桜だけは年に一度ちゃんと見ておかないとって思うんだよね~。」
「…ふーん、そんなもん?」
「日本人に生まれた以上避けられないって言うか、もうDNAに組み込まれてる本能みたいなもんかな?」

何故か、同じ日本人の類に対して、日本人の心得を力説するつくしを類は不思議な気持ちで眺める。

「そっか。」

今迄の類だったら、花を見る為に人混みを歩くなど考えられない。
というより、何事にも関心が薄く、歩く事や人混みを特別避けていた訳でもないが、ただ関心が無かったのだ。

季節を愛で、年中行事を大切にする彼女は、俺の無彩色の日常に彩りを与えた。

チラ

類は隣で楽しそうにはしゃぐ彼女の横顔を盗み見ると、その瞳は所狭しと陣取られた屋台を物色するように世話しなく動き、さっきまで桜について大層な日本人の心得を説いていたはずの口いっぱいにたこ焼きを頬張っていた。

花より団子じゃん…

類は心の中で一つ突っ込みをいれて、口を開く。

「あんた、さっきから食べてばかりで、花なんて全然見てないでしょ」
「…そ、そんなことないよ?//」

類がからかうように言った言葉に、つくしは顔を真っ赤にして反論すると、慌てて空を仰ぎ見て呟く。

「…綺麗。」

空を見上げると、綿あめのようなこんもりとした桜の合間に広がる水色の透明な空の眩しさに目を細めた。

「隙あり・・」







「・・えっ?」

ふんわりと唇に降りてきた優しい温もりに驚いて見上げると、薄っすらと桜色に頬を染めた類が優しく微笑んでいた。

「類…」

その笑顔は、満開の桜よりずっとずっと綺麗に見えた。



Fin



****


共通お題” 桜 ”  ” 舞い落ちる ”


明日咲く花「asuhana様」

上を向いて歩こう「青空心愛様」

駄文置き場のブログ「星香様」

やこさんのイラスト帳「やこ様」(イラスト提供)


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煉獄に揺蕩う(こ茶子さま作品)

煉獄に揺蕩う(たゆとう)後編

君を愛するために~ こ茶子さま作品

煉獄に揺蕩う(たゆとう)後編

 今にも涙が溢れそうだ。
 類と共に何年も夫婦として過ごした寝室。
 どこより、どんな場所よりも、いつもつくしにとって寛げて、安心できるシェルターだったのに、まるで見知らぬ場所であるかのような空々しい違和感と疎外感に満ちて、つくしを苛んだ。
 「詳しい…話は、またいずれ改め、弁護士を間に挟んでやり取りしましょう?」
 「弁護士?」
 「…ええ。それの方がいいでしょ?」
 無表情になってしまった類の顔が、もう真っ直ぐに見れない。
 自分が言い出したことだというのに、それだけでもう挫けて、つくしはその場に留まることができずに、類へと背を向けた。
 「どこに行く気?」
 「…これから離婚しようっていう夫婦が、いつまでも一緒にいるわけにはいかないもの」
 …ホテルに泊まろうか。
 あるいは実家に戻るべきか。
 しかし今のつくしにとって、ここ…類がいる場所でないのなら、もはやどこでも同じだった。
 周囲のものを拒絶して…つくしでさえも…立ち尽くす類の背に、わかっていたはずなのに思っていた以上のダメージを受ける。
 …お願い引き止めて。
 そんな矛盾したエゴイスティックな望みを、なんとか飲み込んで類へと背を向ける。
 「じ、じゃあ、…行くね」
 まるで泥の中をゆくような重い足取りを一歩踏み出して…。
が、
 「え?」
 一瞬何が起ったのか。
 足元に何かが絡んで、つくしの視界がいきなり反転する。
 グラリと周囲が回って、気が付けば大きくバランスを崩してつくしは前のめりにつんのめっていた。
 「きゃあっ!」
 浮遊感。
 投げ出された体が、床へと向かってダイブする。
 衝撃…。
 いや、覚悟した衝撃が訪れず、つくしは不審にそっと目を開く。
 いくら毛足の長い絨毯の上だとは言え、まったくの衝撃を感じないはずがない。
 だが、すぐにその理由を目の当たりにして、つくしは呆然と目を見開いた。
 目の前には見慣れた…美しい白皙の美貌。
 いつもは王子様のようだと見惚れて、愛でた愛する男の苦悩と悲嘆に引き歪んだ顔。
 彼女の体を抱き込んで支えていた腕がそっと、彼女を下へと下ろす。
 だが、その逞しい腕で囲い込んで彼女を捕らえたまま…。
 「……行かせると思う?」
 「類?」 
 「俺より先に逝くから?そんな理由で、俺がお前を行かせられるとでも?」
 震える唇を堪えて、つくしはそれでもそんな彼を突き放す言葉を絞りだす。
 彼のために…。
 「行くわ。あんたが…そんなだから、あたしは行くのよ。もう…あたしを解放して。あんたの…花沢物産の専務夫人という重い軛から解放してよ」
 「……いいよ」
 「え?」 
 自分から望んだはずだったのに、そんな類の応じる言葉につくしが言葉を失う。
 「いいよ、解放してあげる。離婚してあげるし、専務夫人という地位からも解き放ってあげる。でも…お前は逃がさない。どこにもいかせない」
 「…類?」 
 「お前が逃げるというのなら、永遠にここに閉じ込めて、ずっと俺に縛り付ける」
 つくしの目が狂気を浮かべた男の目に魅入る。
 その眼差しの狂気に、密かな喜びを感じて。
 「妻でも恋人でも、愛人でも…呼び名はなんでもいいよ。でも、お前が骨と皮になって、…その肉体がたとえただの抜け殻になったとしても、お前は俺のもの。どこにも行かせない。永遠に俺のものだよ」
 冷たい唇が、確かな熱を彼女の唇へと落とした。
 荒々しい愛撫に、熱い吐息を零して…。
 …お前は永遠に俺のもの。
 …あたしは永遠にあんたのもの。




~Fin~

*****

こ茶子様

最初に、、素晴らしいお話を書いて下さりありがとうございますm__m
指が震え、涙で画面が歪んでうまく見えません・・。
生きててよかった!本当ありがとう!そんな、陳腐な言葉でしか、この感謝と感動を伝えられないみかんをお許しください。

死に至る病に侵されたつくしの類を愛するが故の決断、その決意を後押しする親の愛とエゴ…そして、受け入れられない類。
冷たい言葉とは裏腹に、本心では類が必要で愛している、でも、残される側の悲しみを思いやり、突き放す姿が愛に満ちて哀しくも美しい。
類もつくしの本心などとうに見抜いているのではないかな、、つくしの「表面的な要望」は全て呑むが、「本心の望み」を叶えるようとする狂気・・愛の深淵の切なさを感じました。

本当に素晴らしいお話をありがとうございます。
そして、毎日、長い長い感想文を読んでくださりありがとうございますw
これからも、ずーっとずーっと応援しますね。


*****

この二人のその後・・読みたい。でも、それは私たち読者の心に想像を託されました。
各々の心のままに美しく昇華されたもう一つの物語・・紡いでいただきたくお話を公開させていただきました。

お話を読んでくださった皆さま、どうか素敵な感想など、勇気を出して「公開」で寄せていただけないでしょうか?きっと、こ茶子様も喜ばれると思います。
みかんは普段は鍵コメしか書きませんが、今回は、お話の最後にファンとしてコメントさせていただきました。

みかん


煉獄に揺蕩う(こ茶子さま作品)

煉獄に揺蕩う(たゆとう)中編

君を愛するために〜 こ茶子さま作品

煉獄に揺蕩う(たゆとう)中編

「あんたは、その長期間の闘病生活の間に、新しい治療方法が見つかることを期待しろって言うつもりよね?もちろんあたしだってそのつもり」
 「じゃあ?」
 「…治療に専念したいの。花沢物産も退職する」
 「いいよ、俺が反対するとでも?」
 「花沢の次期社長の妻の座も返却して、のんびりと余生を過ごしたいって、あたしは言ってるのよ」
 余生…よもや、この若さでそんな言葉を言わなければならないなんて、つい数週間前まではつくしも夢にも思っていなかった。
 ホンの数十年、類が第一線を退くくらいまでの間は、自分も頑張ろう。
 そんな風にふざけた物言いで、けれどこの上なく真剣に、その日を遠い未来のことと笑って、類の隣で突っ走り続けてきたというのに。
 「あんたの妻という立場のままじゃあ、とてもじゃないけど闘病に専念することなんてできない」
 「すればいい」
 「あんたはそう言ってくれるってわかってた。でも、あんたの立場はそういうものじゃないでしょ?」
そしてなにより、自分が許せない。
 類を幸せにしてあげたくて結婚したというのに、足でまといになって…やがては彼を置いて逝ってしまうことになるだろう自分。
 それはもしかしたら、10年後のことかもしれない。
 あるいは、さまざまな幸運と日進月歩の医療の進歩が追いついて、20年後の未来へと続いていけるのかもしれない。
 けれど、そんな不確かなモノに縋って、この人一倍寂しがり屋で優しい彼を一人で残して、逝くことなどできるだろうか。
 だから…、
 …あたしから手を放してあげる。
 彼に愛し愛されて、ずっと幸せだったから。
 …あたしはもう、それだけで生きていける。
 …一人で生きて、精一杯戦って、やがては病に打ち倒されても、きっと幸せに逝くことができると確信できた。
 …でも、あんたがあたしの死に傷ついて、また蹲ってしまったらあたしは安心して逝くことができないの。
 そんな身勝手を赦して欲しいと一人涙を飲んで、つくしはわざと冷たく顔を背けた。
 「お義父様とお義母様には、たとえ離婚しても、病気に関しての援助を申し出ていただいてる。あんたのことは、今ももちろん、愛してるいるわ。でももう無理。あたしは自分のことだけでももう一杯一杯。それなのに、あえて気苦労ばかりの立場に留まりたいと思えないのよ」
 「俺のことがもう面倒臭くなった…、そう言いたいわけ?」
 「そうね、そうとってくれていいと思うわ」
 本当はそうじゃない。
 たとえ、骨と皮のミイラのような姿になって、身動き一つとれなくなってしまったとしても、最後の息を引き取るその瞬間まで、彼の姿を目に映して焼き付けていたかった。
 きっと、類もそんな彼女から目を背けることなく、最期の瞬間まで、きっと「愛してる」と言ってくれるだろう、そんな夢みたいなことを信じていながら、それでも彼を突っぱね続けなければならない苦痛に、つくしは密かに身悶える。 
 『つくしさん、申し訳ない』
類の両親の疚しさに背けた顔が脳裏に蘇って、沈痛な声音が胸の隙間を吹き荒み過ぎてゆく。
 『…類を絶望させたくない。あの子は、あれで情の強い子だ。あなたがどんな姿になろうとも、たとえどんな未来が待ち受けているとしても、きっとあなたを愛し続ける。だが、残酷なことを言うようだが、あなたはいずれあの子を置いて逝く。そうした時、あなたの病み疲れた姿を見届けた果てに、あの子はどれだけ生きる力を残していられるだろうか。いまなら、まだ傷が浅くないうちに、きっと立ち直れるだろう。あなたに去られて傷ついても、まだ時がなんとかしてくれる。だが、10年、20年した後に、あの子にはきっとそんな時間も、力も残されてはいまい。親としての身勝手と非情を赦して欲しい』

煉獄に揺蕩う(こ茶子さま作品)

煉獄に揺蕩う(たゆとう)前編

君を愛するために〜 こ茶子さま作品

煉獄に揺蕩う(たゆとう)前編


「え?」
 一瞬、類は聞き違いかと思わず聞き返した。
 生真面目なつくしが、そんなことで冗談を言うとも思えなかったが、かといって聞き間違いを疑うにはあまりに彼女の顔は真剣だった。
 「あたしと…離婚して」
 「…どうして?」
 「どうして、って、もちろん、知ってるんでしょ?あんたが知らないわけはないわよね?」
 別にいつも類が彼女を監視しているというわけではない。
 けれど、ここのところイライラとして、らしくない言動を繰り返すつくしに、類も不審を感じていたのだ。
 結果は…類にしても、動揺せざる得ない事情があきらかになってしまった。
 「…お義父様とお義母様には、もうお話してお許しを頂いているから」
 「夫である俺に話す前に、親に話すとか、それってなんか違うんじゃなの?」
 皮肉に笑んで冷たい眼差しを向けてくる類に、堅く決意していたはずのつくしもたじろいでしまう。
 しかし、つくしとて簡単に出した結論なのではなかった。
 愛し愛され、共白髪までと誓い合った相手。
 断腸の想いに泣いて泣いて…そして思い切ったのだ。
 「…あたしはもう長くは生きられない」
 「悲観的だね」
 「悲観的なんかじゃないわ」
 「俺だって明日には事故で死んでいるかもしれないのに?」
 類の言っていることはほとんど子供の世迷いごとと変わらない。
 事故死の可能性の有無を話せば、可能性などいくらでも広がる。
 だが、そういうことではなかった。
 つくしの事情は、そんなあるかもわからない不確かで悲観的な未来などではなく、たしかに近い未来やってくる確実な出来事なのだ。
 筋萎縮性側索硬化症(ALS)―――手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々に痩せ衰え、やがては呼吸不全を起こして死に至るという原因不明の難病。
 この病をつくしが患っていることが、発覚したのは本当に偶然のことだった。

 本来なら60~70才台の高齢者にもっとも多く見られ、圧倒的に男性の方が多い病だ。
 だというのになんの因果か、まだ、27才のつくしが罹患してしまった。
 「だいたい、病気が発覚したって言ったって、今日明日に死ぬわけでもないだろ?」
あまりに歯に衣着せぬ物言いに、さすがのつくしも苦笑してしまう。
 「…なに?」
 「ううん、あんたったら遠慮も何もないんだもの」
 「いまさらだろ?」
 「そうね、いまさらだわ」
 けれど、互いにある緊張感はいまだ緩まず、つくしもまた一歩も引き下がるつもりなどなかった。
 そして、おそらく類も彼女と同じ気持ちなのに違いない。
 ただし互いに真逆の決意を胸に、互いの心を理解しながらも平行線のまま。
 しかし、そんな類の愛情に、自分はもう甘えるわけにはいかないのだと、つくしはあえて真っ直ぐに類を見据えて、冷たい仮面を被り続ける。
 「お前が何をそう悲観してるのか知らないけど、今のところ治療方法が見つかっていないというだけで、死に至るまで十数年の月日を生き延びたっていう事例もある」
 わかっていたことだが、類はすでにさまざまな事柄を調べ尽くして万全の備えで待ち構えていたのだろう。
 「必ずというわけじゃないわ。それに、一度発症してしまえば、この病気は常に進行性で軽くなるということはないのよ」
 「………」

お知らせ

君を愛するために〜こ茶子さまからお話をいただきました。

こんにちは。みかんです。
いつも、ブログに遊びに来てくださりありがとうございますm__m
今日は、もう、、みかん死んでもいいかも。
花より男子二次小説サイトの超有名サイトであらせられる、君を愛するために〜の管理人さまのこ茶子さまからお話を戴いてしましました。
どうしよう・・本気で失禁するかと思いました。いや、むしろ粗相をしてしまったかもしれません。
実はみかん、、、こ茶子さまの連載されていた、400話を超える大作の終了に伴う喪失感から、自棄になってお話を書き始めたのです。
ちなみに、FCサイトはこ茶子さまが新作終了宣言された喪失感から始めたという入れ込みよう。あはは
とにかく、みかんはこ茶子さまのお話が大好きで大好きでたまらなく、日参しては感想文を書き続けているのです///
本当はみかん独り占めしたい・・なんて邪な事を考えてしまったのですが、そんな事をしたらこ茶子さまのお話を愛する読者の皆さまに申し訳ない・・そして、美しいお話を読んでもらいたい・・そんな一心で公開する事にいたしました。

煉獄に揺蕩う(たゆとう)前中後編 17:00更新いたします。

類君のお誕生日に素敵なサプライズ・・皆さまぜひぜひお楽しみくださいませ。

両サイトで公開しているのは、一人でも多くの人に感動をおすそ分けしたいと考えました。
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みかん

お金で買えない女(完結)

お金で買えない女 44話

44話


ふわふわ__

ん・・
なんか、身体がふわふわする・・

つくしは半覚醒の意識の中で、身体が宙に浮いているような感覚を覚えた。

少しずつ意識が覚醒していくが、飲みすぎた酒のせいで身体が思うように動かない。

類「__全く、意識を失う程飲むなんて・・」

花沢・・類・・?

つくしはぼんやりとした意識の向こう側で、花沢類の言葉を聞いたような気がした。

そういえば、あの時も同じような事言われたよね・・。

ごめんね・・。


**

あいつらには、家に送っていくと行ったが、実際のところ自宅など知っているはずもなく・・。

類「__全く、意識を失う程飲むなんて・・」

ただ、あのまま眠りこけてしまった牧野を放っておく事ができず思わず連れて帰ってしまった。

ガチャ

類は車の中で眠ってしまったつくしの身体を抱き上げ、いつも二人で過ごすマンションの部屋に横抱きにして運ぶと、つくしを寝室のベッドに寝かせた。

つ「__んっ」

牧野は、苦しそうに小さな声で呻くと、はあはあと浅い呼吸を繰り返し、苦しそう胸を上下させている。

長い黒髪はパアッと白いシーツに広がり、赤い口元から小さな白い歯がこぼれている様子がなんとも扇情的で、思わずゴクリと息を飲む。

類「__エロいじゃん。」

類は小さな声で呟くと、赤い口元を撫でるように指を這わせ、指で唇をこじ開けた。
長い指で口内をかき回すように舌と指を絡める。

つ「__んっ__ふぅっ」

類が指でつくしの舌を優しくかき回すと、苦しそうに呻きながら流れ出した唾が頬を伝う。

類「__牧野」

類はもう片方の手でそれを拭うと、両手でつくしの頬をガッチリと挟み、親指で唇をこじ開け、つくしの舌を無理やりからめ取りながら、激しく食らいつくように口付けた。



つ「__ん、んん、、?はぁ___っ」




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2016類誕イベント

彼岸の桜「プリズム」

2016類BDイベント企画『共通お題』



” 桜 ”  ” 舞い落ちる ”




具体的な表現あり。R18です。
通常なら鍵付きですが、イベントなので晒します。ご了承下さいm(__)m








***



彼岸の桜「プリズム」



「…っ」
「…はっ、ん…」


部屋に入るなり、貪るようの舌を絡めあい、縺れるようにベッドになだれ込んだ。


薄暗い部屋に窓から差し込んだ光が影を落とし、


白いシーツの上で、貪りあう2人に光の模様が絵を描いて、間延びした長いシルエットが浮かび上がる。


ふわふわ…


埃っぽい布団から舞い上がる埃が、西日に反射してキラキラと舞い落ちるプリズム…


黄ばんだ景色に絡み合う男女。


クチュ…ハァ、ふぅ__。


静かな部屋の中には、遠くに聞こえる微かな日常の音と、2人の荒い息遣いに微かな水音だけが響き、音と音のコントラストが、研ぎ澄まされた耳を侵す。


牧歌的な日常の中の非現実


夢中で貪りあう唇を離すと、お互いの唾液で紡がれた銀糸が2人に橋を架けた。


「…牧野。」


類は長い舌でペロリと絡め取ると、もう我慢出来ないと熱の籠った視線を流し、ブラウスのボタンに手を掛けた。



**



「ん…ハァ、あぁ…」


狭いベッドに横たわる俺の上で、淫らに揺れる白い身体に散らされた紅い花びらがヒラヒラと揺れる。


細い腰を掴んで固定し、熱い軛を何度も打ち込むと、苦しげに顔を顰めた彼女の桜色の唇から甘い吐息が洩れた。


「はぁ…はぁ、あん」


「_かわい。ほら、もっと?」


その声の先が聞きたい一心で、下から突き上げるように揺らした。


「…あぁっ!」


律動を早め、耐え切れず洩れた声の切なさに、益々硬く立ち上がった俺が彼女の中を圧迫する。


「自分で触って__。」


類はつくしの手を取り、桜色の指先が敏感な蕾を上下左右に撫で回す。


「…は、恥ずかしいよ…あ…っ」


「…恥ずかしい?気持ちよさそうだけど…ん。」



類は臀部を鷲掴み腰を振ると、つくしの潤む瞳から、快楽の涙が一筋流れて収縮した。



「_あっ」


「…うっ」





****

続きは、
Yahoo天使の羽根
彼岸の桜 「白い果て」23:59更新



共通お題” 桜 ”  ” 舞い落ちる ”

明日咲く花「asuhana様」

上を向いて歩こう「青空心愛様」

駄文置き場のブログ「星香様」

やこさんのイラスト帳「やこ様」(イラスト提供)



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